バッチbatchとは、英語では束とかまとめたものを指すようですが、硝子屋さんはバッチといえば、調合されたガラス原料のことをいいます。
私の工房では、国内メーカーの工芸用原料を使っています。とてもきれいなガラスで、作業性もいいのですが、取り扱いの問題や燃費の問題など、気になることがいくつかあります。とはいっても、ほかに比較できるようなメーカーやブランドも国内にはなく、自分で配合割合を研究する知識もゆとりもありません。。。


DSC_2042.JPG
色ガラスを探していたときに、見つけたのが、このオーストラリアの原料です。オーストラリアは、ガラスの主原料である珪砂の産地で、近年ガラス工芸も盛んです。実はうちの原料も珪砂自体はオーストラリア産だったりします。
通常のバッチは、写真の後ろにあるように、セメント袋に入れて供給してもらうのですが、このオーストラリアのバッチは、箱入りで、箱には小袋にはいったバッチが納められています。
炉のなかに小袋のままで投入すれば、粉が舞わないので、健康に配慮されているといえます。また、箱も20kg入りでセメント袋よりも小さめです。聞けば、オーストラリアでは労働者の健康のため、原料類のパッケージは1点20kgまでと定められているそうです。これは明らかに腰に優しいです。
熔解するときや、制作作業するときの温度も数十度低めのセッティングになっていて、燃費がいいのと、炉の寿命が延びます。また、工房の熱地獄を少しでも和らげることができます。そして価格も、国内とほぼ同等かそれ以下で、通関を自分でやる手間さえ惜しまなければ、経済的にもメリットが出そうです。
いいことづくめなこのバッチですが、品質がいいかどうかは別問題なので、おくってもらったサンプルを今週使ってみています。ちょっとアンバーに偏っているかなあ?といった感じですが、このほうが好みだという意見もありました。あとは、いろいろな制作方法に耐えるかどうか、仲間にもテストを手伝ってもらっています。
問題なく使えたらこちらに切り替えて、今年の夏はすこし涼しく作業できるかなと期待しています。
どうですかね?しげちゃん!