青樹舎硝子工房リニューアル|断熱材を入れ替えた溶解炉

青樹舎硝子工房リニューアル・オープン

2021年2月13日、青樹舎硝子工房がリニューアル・オープンしました。

リニューアルと言っても見た目はそれほど変わらず、内容的にはむしろ解体して新設したと言う方が適切かもしれません。

作業を始めてみるととにかく重労働です。25年前はこれほど疲れなかったのにと、歳を感じさせられましたが、考えてみると前回は解体工事はしていませんでした、、

中でもガス配管の解体作業が一番堪えました。
四半世紀前に締め込んだ太い配管をパイプレンチ2本振り回して、プロレスでもしているような気分でした。
そんなこんなで総工事一ヶ月の予定が、腰を痛めてしまったこともあり一ヶ月半も掛かってしまい、皆さまをお待たせしてしまいました。

溶解炉

溶解炉も外側は変わらないのですが、内側をすべて新しくしました。
断熱材を打ち直すことによって熱効率がよくなっています。
燃費がよくなっているのと、熱気を拡散しないので作業がしやすくなっています。
今、ガラスが溶けていて、中は大体1200℃くらいまで上がっています。
蓋を締めると結構静かです。

換気扇

ガラス工房は火を炊いて仕事をするので熱気との勝負になってしまうのです。
工房の中は熱気をどれだけ早く放出するかが、仕事のしやすさのポイントのひとつになっています。

今回、換気扇を追加導入して、全部で4機入ってるんですが、そのうち2機を三相交流のパワーの大きい換気扇にしています。

青樹舎硝子工房は教室もしておりますので、生徒さんに来ていただく上でコロナの感染予防対策ということからも換気能力は重要です。
感染予防の換気能力には基準があるようなのですが、その7倍程度の換気能力になっています。

だるま(焼戻し炉)

焼戻し炉(だるま)です。
一日の仕事、これを付けて、これを消して終わる、一番使う設備です。

市販されていないので、全部手作りなんです。
本体は中華鍋の寸胴、中は耐火断熱素材を組み合わせてセメント状のものを流し込んで作ってるんです

扉が付いてますが、この扉も特殊な耐火セメントを使っています。

上のファンから空気を送り込んで、ガスを混ぜて、炉の中に圧送して火を付ける。
混合気になった状態で送り込むと高い温度が得られるんです。

今、中は大体1200℃くらいになっています。

だるま・大(焼戻し炉)

こちらの「だるま」は大きい作品用です。
外側はドラム缶使ってるんですけど、大体内径は35cmくらい、それくらいの大きさがあると大抵の制作物は間に合います。

ひとつ新しいこととして、棹(パイプ)を立てかけるヨークっていう道具があるんです。
棹を立て掛けて中でガラスを炙るのに棹を安定させるための道具なんですが、
これをぶら下げ式にしたんです。

足元がすっきりするので、天井からぶら下げる方式を採用したんですが、こんなことやってるの世界でうちだけかもしれません。

徐冷炉

出来上がったガラスをしまうための徐冷炉、よく使う小さな3機を今回新しくしています。

扉の開け閉めが楽になったり、マグネットでパチっと閉まり、
開けっ放しにならなくなっています。

吹きガラスの道具

ガラスは1200℃とか、高い温度の素材なので当然手では触れられません。
いろんな道具を使います。
目的に合わせて大きさ、形、バリエーションがあり、使い分けて制作しているのです。

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