ようやく工房が再開して、ひと安心。
なかには、工事延長でひどくがっかりされていた生徒さんもいらっしゃって、申し訳ないことをしたと再度反省。でもそこまで楽しみにしていただいたのかと有り難い思いもした。
話はかわって、先日、去年お世話になった兜町のすぎもと画廊に間仲久子展を見に行った。
間仲さんは、傘寿のご年配なのに世界中を旅して、それを美しい水彩然とした岩彩にまとめられている。昨年すぎもと画廊で、ごうくんと私のふたり展のとき、ご自身の個展の打合せに画廊にいらした。その際拙作をお求めいただいて、後日お礼状のやりとりがあったのだが、そのはがき一枚の気どらなさと自由で優しい書きぶりに印象を強くしていた。あまり行かない絵画展だが、間仲さんのお人柄と彼女から生まれる作品に興味が湧いて個展を楽しみにしていた。
拝見した作品は、どれも素朴で楽しさにあふれる風景画で、やはりお人柄が滲み出ているようだった。
なかでも眼にとまった作品は、冬のパリセーヌ岸を描いた静かな作品。青を基調にした寒い午後の風景だが、岸に建つ建物の窓にどことなくリズムがあり、その固く閉ざされた窓の奧では、暖かく楽しい様子がいっぱいありそうな気にさせてくれる。父の友人だった松葉良先生や松葉先生の尊敬するところのクレーを連想させられたのかも知れない。(松葉先生は先月下旬に御歳87才で他界されていたことを知りました。この場を借りて、謹んでご冥福をお祈りします。父との思い出がまたひとつ、と思うと寂しい限りです。)
間仲さんにそんなことを申し上げたら随分喜んでくださって、その作品をくださるとまでおっしゃった。そんなとんでもない!と思いつつも舞い上がるほど嬉しくて、結局拙作と交換させていただくことに。もちろんこっちが100個差し上げても釣り合わないのだが、間仲さんの気が変わらないうちにということで、30年ぶりくらいに指切りげんまんしてきた。
その作品がこの週末自宅に届いてにんまりしている。私はケチなので、作品画像はもったいないのでまだアップしない。間仲さんには、春にふさわしい明るいペアの大鉢をお送りしようということになった。喜んでいただけるといいんだが。。。