吹きガラス工房は、ガラス溶解炉を定期的に止めて、坩堝交換や補修工事をしなければならない(それ以前に、工事しない限り毎日毎晩火を焚きっぱなしの場所です)。うちではだいたい半年おきに工事をするようにしていて、今日で火を落とし、週末から補修工事を始める。大工、左官、配管と作業は多岐にわたるが、全部自分達でやらなければならないので、大変な作業だ。
業界では、製作閑期のお盆や、1月頃に行うことが多いようだが、そんな頃にやっていたら、暑さ寒さで身体が参ってしまうので、春先と秋口の陽気のいい時期に決めている。坩堝より命のほうが大事だ。。。


一連の作業の最初は、炉の底に溜まっているゴミガラスをかきだすことから始まる。炉の底には、坩堝から溢れたり、巻き取るときに失敗してこぼしてしまったガラスがいっぱい溜まってしまう。炉床にそれが溜まると、炉材と反応して炉をひどく傷めてしまうのだ。
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これを早朝の炉温が一番高いときに、底から鈎棒でひっかき出す。炉材混じりの汚い緑色のガラス、ちょっと古いが、使い古した手垢たっぷりのスライムみたいだ。
起き抜けから床に這い蹲っての力仕事は大変辛く、今朝もあっというまにバテバテ・・・
日中の製作作業はゆっくりめにして、ぐいのみのカット生地を50個近く吹くだけでおしまいにしてしまった。
今はガスを絞って、徐々に温度を下げており、現在900℃。