工房では、吹きガラス教室を開催しています。
小規模ながら設立以来21年休まず続いており、振り返ると業界のなかでもちょっとした老舗になっているようです。いままで多くの皆様に出会い、長きにわたって工房を支えていただいていることに感謝するのと同時に、ガラスの面白さを社会に伝えることができているのではと感じられるようになってきたこの頃です。
教室では吹きガラス(所謂「ホットワーク」)をご案内しております。30年前に年老いた職人さん達から教えていただいたことを土台にしているものですから、明治初期に日本に伝わり、ある種独特に展開した吹きガラスの片鱗をお伝えするような側面もあります。出来あがる作品も、シャープなものより優しいかたちが多く、それが目に見える特徴のひとつになっています。
そういった特徴に加え、来期からちょっとづつ衣替えをして、「キルンワーク」という電気炉を使う制作と、「コールドワーク」という研磨作業も、指導内容に取り入れていこうと考えています。これらの技術は、それぞれ奥の深い専門性を持ち、独立しうる分野です。私は「キルンワーク」と「コールドワーク」は外国の先生方にご指導いただきました。振り返れば、「ホット」「キルン」「コールド」三つの技術を併用駆使して、今まで難局を乗り越えて来ました。また、そこを行ったり来たりしながら制作する面白さには格別のものがあり、ご案内の価値があると思うに至りました。
小さなガラス教室なので、出来ることにも限りがありますが、少人数制による高い密度と自由度もあります。皆様にはこれらを習得していただいて、制作の巾を広げ、奥を深めていただき、総合的なガラス制作を一層楽しんでいただこうと思った次第です。あらたなメニューを準備して、試行錯誤ではありますが7月よりレッスンを開始いたします。
この機会に「前々からやってみたいと思ってるんだけどな…」とお考えのかたを募らせていただきます。募集は若干名、ご興味をお持ちの方は、お早めにご相談ください。