「どうしたら上手になるんですか?」って、かのダンテマリオ二さんに聞いてみたら、「ひとつのかたち500個も作れば上手になるよ。」と教えていただいたのが、かれこれ20年前のこと。当時お教室生徒だった私にはそんな気の遠くなるようなこと無理。ガラスを仕事にしてからも、注文仕事は別にして、好きなかたちを練習目的で500回繰り返すことはやはり無理でした。
工房の上級者クラスにいらしているKさんは、一通りの基礎メニューを習得され、この数年ご自分のお好きなものを自由に作ってこられました。でも自由というほど不自由なものはなく、一念発起して浅めのボウルを綺麗に作れるようになろうと心に決められました。
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美しいボウルは吹きガラスでは最も難しいもののひとつで、プロでもまともにできないひとがいるほどです。毎週1回数時間の練習で出来るのはせいぜい5〜6個。お仕事でお休みのこともあるし、調子の善し悪しもあります。それでも積み重ねるなかで、最近完成の域に近づきつつある実感を得られました。振り返ると、心に決めてから一年半で400個くらい練習したことになります。
ダンテさんの精進500個というお話しはどうやら真実のようです。Kさんの明るくも実直な努力に感服するのと、彼女にそういうことができる環境を提供できてよかったなあと思いました。Kさん、あとほんのひといきで自由自在、がんばって。
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